SNA国民経済計算-1
現行の国民経済計算は、1993年に国連が勧告した国際基準、93SNAに基づく。
[ 1 ] 経済循環のとらえ方
1. 生産要素(労働、資本ストック)、土地、を組み合わせて使用し、原材料(中間財)を投入し財貨、サービスを産出する。
2. 生産活動の過程で生み出された
付加価値(産出額ー中間投入額)は、固定資本減耗と純間接税を控除した後、各生産要素の間で配分される。
要素費用表示の国民所得
=営業余剰・混合所得+雇用者報酬+海外からの純所得
3. 他方、産出された財貨、サービスは、中間消費や国内最終需要、輸出販売される。
4. 生産要素を提供した各主体は、配分された報酬から所得税等の経常税や社会保険料等を一般政府に納め年金等の給付を受ける。各主体間で配当や利子の受払を行い所得の再分配が行われる。
5. 再分配後の所得をもとに各主体が消費の為に財貨、サービスを購入したり、住宅企業設備、土地等の実物資産を購入する。
6. 支出の結果、資金に余剰が生じた主体は、預貯金、公社債、株式等の金融資産に運用する。資金不足した主体は、不足分を金融機関からの借入や公社債、株式発行により資金調達する。この調達と運用は海外にも向けられる。
7. 海外との取引は、
経常取引(財貨、サービスの輸出入、雇用者報酬や財産所得の受払)
資本取引(直接投資、借款、対外証券投資)及び金融取引(現金、預金、株式、金融派生商品の取引)に。
このうち、輸入財貨とサービスは、国内産出のそれと同様に中間消費、国内最終需要、輸出向けに販売される。
海外からの所得、経常移転の純受取額は、国内の各主体の所得となり、消費支出や実物資産、金融資産の購入に充当される。
8. 各主体が、実物資産を購入、又は売却すると、この主体の保有資産のストック量が増減する。また、借入等の資金調達を行うと負債の増額が変化する。
9. 当期に増加した資本ストックは、次期の生産要素となり、労働力と共に生産活動に提供されて所得を生み出す。また、当期に蓄積されて増大した金融資産や土地は、次期に利子や配当等の財産所得を生み出す源泉となる。
(以下は、私的解説)
・これは、内閣府で作成しているGDPの計算根拠であり、中国等いい加減な統計もあるが、国際標準の約束事により作成されている。
ソ連モスクワ大学マルクス経済学を専攻したロシア人のワシリー・レオンチェフがアメリカに移住の後に、アメリカの労働省で採用された国民総生産計算方法。第二次大戦後引き上げてくる大量の失業兵士群と、軍需生産が大幅にダウンすることによる大恐慌発生を避ける方法をこの計算でソフトランディング予測をしてもらい、ほぼその通りにできた逸話もある。しかし、個人的には冷戦による軍需生産の継続と、在庫抱えた大戦時代の武器の消化の為に朝鮮戦争が矛盾を解消したように見えるが。
現在では、世界標準となっている。
・これを読むと、早い、或いは若い時代に節約して、又は相続財産を受け取るか、宝くじにでも当たって(^^)金融資産と土地を得ることで、労働所得だけでなく、利子や配当等の財産所得が得られることがわかる。又は、その資金を実業に起業投資することでも同じである。
まあリッチになりたければの話だが。それなりに働いてそれなりの消費をして楽しい人生をおくれればそれが一番いい、という気もするが。(^^)