経済を考える8-4

W-W'変換を深める。

目的は、資本主義システムの普遍的な表式を作ることである。偉大なマルクス表式の批判者ではなく、後継の一人でありたいから。

 

貨幣資本Gを商品Wに等価交換して生産資本を編成して、剰余価値を含んでアウトプットを等価交換で貨幣資本Gに戻す、と考える。

 

製造業の場合は、物の生産なら種類は問わない。

Pm1を投入し、G回収時にその価値分を回収する。

Aも投入し、Aを同じくG回収時に価値分を回収。

これだと、剰余価値はゼロだ。即ち不生産階級だ。

物を人が需要あるものに変化させるだけだ。ケネーの言通り。誰でもできるし差もない。

ここで、マルクスの方法で剰余価値を生産するには、Pm2がない、0とすると、上の状況で剰余価値生産するには、

Aを1.5倍働かせると、Pm1も、1.5倍必要になるから、Gの投入も丁度1.5倍に増やさないと生産が止まるだけだ。剰余価値は出ない。だから、賃金を1のまま、Pm1を1.5倍投入すると、1.5-1=0.5の剰余価値が生まれる。これは確かだ。残業代払えばなくなるが。残業代を支払わずにmを得るには、投入するGは1.5+1.5=3  3が完成品W'の価値ではあるが、これは3人でしかこの価値生産はできないのに、給料は二人分しか払ってないから、G-Wが不等価交換になる。

不等価交換は長続きしない。ここを等価交換にするのは困難だ。日本では通用するかも知れないが。で、W-W' を編み出したわけだ。

これは、機械Pm2のない職人集合型生産で、1つの原料で1人の職人生産で1の製品ができる環境で、3つの原料を手配して、2人の職人しか集めずに、1人あたり1.5倍の時間を働いてくれ、といっているようなものである。この考え方では資本主義のシステムの表式としては不完全である。

 

Pm2の減価償却分もPm1に加算して、更にAを投入している。Pm1、Pm2は確かに不変資本だから、価値はそのまま製品の価値に移行するから、更にAの賃金も移行するから、またぞろ長時間労働か過密労働で賃金を踏み倒すことでしかなく、Pm2は余計な費用でしかなく、Pm2が無い方が資本の多くをPm1とAに振り分けられることになり、矛盾する。

 

Pm2は不変資本ではあるが、それでもコストかかるPm2を導入する理由は何か、というと、Pm1と異なりAと結合することで、Pm2を導入しないでAを働かせるよりもPm2を導入してAを働かせた方がコスト的にまし、だからだ。

A1+Pm2 がAより小さいのだ。A1+Pm2<A

ここでA1は、Pm2導入に伴う労働力商品即ち労働者数の減少または、非職人レベルの賃金労働者、又はその両方だ。

この左辺と右辺Aとが同等になるには左辺にmを加算しなければならない。

 

Pm2は固定資産減耗費用だが、Pm2<A(労賃)でAを圧縮する。だから導入するのだが、

A1+Pm2+m=A

となるA1とmを発生したまま、Pm1からの目的変化物を等価交換で貨幣資本Gに戻せば剰余価値mは貨幣Gとして現れ、W段階ではPm1の変化物の物即ち商品として現れる。

だから

GーW[(Pm1+A=(A1+Pm2+m)]-G  

であり、Pm2のコストが低いほど、又は高くても性能が良いほどA1は小さくなりmは大きくなる。

尚、この表式だと、

マルクス主義経済学の最大の問題点、サービス労働は労働か、何も生産してないのに。

また、このことが、ソ連の崩壊の根源的欠陥システムの理論的裏付けであることが、未だに解明出来ておらず、論争がなおつづいている問題だ。

 

商業活動でも運輸活動でも説明できる。それは、W-G  を担っているということだ。製造業が資本主義化すれば、サービス業が同等に伸びないと製造業自体の回転が止まる。

 

サービス業でもW-G工程で、賃金を機械化に置き換えて剰余価値を捻出するから生産階級となり、納税も可能だ。が、商人1人で機械化なしにやれば、不生産階級の商人となる。

製造業だけではなく、製造業の発達は、資本化してまた製造で剰余mを得るために商業の発達が必要不可欠となる。生産後の商品を売って換金し、また原料、機械、人を金で雇わないと剰余がでないからだ。製造業で生み出された剰余は等価交換された当初のGに加算されるが、固定資産として蓄積し、要は更に機械化を進め、次回生産時のmを大きくする。

固定資産である機械の製造が、即ち生産材生産をマクロで描くには、再生産表式に頼っているが、ここも検証したい。

 

機械化は生産時間を短縮し回転率を上げて剰余額をあげることもできる。この回転率こそが、等価生産しかできない工業が農業に勝る剰余価値を生み出す原動力で、1回転での比較では農業の方が上である。一つの種から何倍のも種になるから。

このあたりは次以降に検討するが。