経済を考える3−2

ケインズの分類方法では、

国家貨幣の定義は、強制的法貨である 貨幣と、強制的法貨との交換が保証されている貨幣を加えたものを指す。

したがって強制的法貨である中央銀行券(例えば日銀券)だけでなく、それとの交換が保障されている中央銀行当座預金例えば日本銀行当座預金も国家貨幣と定義される。

これに対して加盟銀行預金(すなわち民間銀行の預金)は法貨との交換は保障されるが、支払い完了性を持たないので国家貨幣ではない。

ケインズの国家貨幣の概念には、銀行貨幣から派生した、中央銀行券、中央銀行当座預金だけでなく、金本位制のもとで存在した決済手段すなわち商品貨幣と兌換銀行券が含まれている。

国家貨幣の3つの形態として、商品貨幣と法定不換紙幣と管理貨幣が指摘される。

商品貨幣は、貨幣の通常の目的のために偶然に選ばれたものであり、他のすべての商品と同様に希少性と生産費によって左右される。商品貨幣は金のような実物資産によって構成され、貸借対照表の資産側に計上される。

法定不換紙幣と管理貨幣は、発行機関の負債側に計上され、紙で作られ、国家が創造し発行するが、何らの兌換を受けず確定した価値もない。裏付け資産は、貸出債権や国債などの金融資産である。

管理貨幣については、法定不換紙幣に類似してるが、国家が何らかの金などの兌換やその他の方法で発行条件を管理保証している。

だから、管理貨幣は、100%の客観的標準物を保有し、事実上の倉庫証券なら、商品貨幣に退化し、0%なら法定不換紙幣に退化する。