市場経済システム-5

マルクス主義を政治的に利用し、後進国革命が20世紀に発生し滅亡した。その多くはマルクス資本論の解釈に問題がある。マルクスは市場による交換を否定していないどころか、商品からスタートして交換価値と使用価値の矛盾について述べている。

交換価値とは、分業による市場経済そのものである。要は需要と供給における供給サイドの生産様式において、資本増殖の為に労働所得即ち賃労働に置いて、搾取収奪がシステムとして組み込まれていることを暴き、生産手段を労働者階級の手に!と叫んでいるに過ぎない。

しかし、この革命性を、専制君主制打倒に利用して自らがその専制君主に成り下がったことへの矛盾である。

市場経済を支える、圧倒的な生産手段による生産力は、当時はイギリスのみで普及して、しかもエンゲルスのイギリスにおける労働者階級の状態、に見られるように、過酷な婦女子による奴隷に近い長時間労働により、資本蓄積された。まだ生産手段の発達もなく、ましてやその所得や生産物によって形成される市場は自ずとしれていた。ましてや他国は、資本主義的生産力もなく、市場経済も未発達で村の定期市レベルから、さほど遠くない存在。

更に君主をいただいての対戦が行われれば、軍需生産第一主義の統制経済が有効になり、ソ連もどれだけ戦車を作り続けるか、石油生産力を上げるかなどの生産力を目指さざるを得ず、市場経済からは程遠く消費財生産は、農産物のみでありそれこそ、農本社会が重化学工業を極貧レベルてわやったに過ぎないから、自由もへったくれもないレベルだ。

レーニンの死後、このままエスカレートしたに過ぎない。この間に戦争の蚊帳の外で、輸出主導の生産力の向上を図れたアメリカにより次世代が担われた。ここには市場経済の発達もあったが、2つの大戦で死の商人とした戦争特需経済ができ、一次大戦後の平和時に大恐慌となり、二次大戦後も冷戦の継続と局地戦の継続により生産力を維持せざるを得なかった。朝鮮戦争ベトナム戦争キューバ危機などだ。

そして市場経済を崩壊前の社会主義国以外に定着させてきた。市場経済を発展させない生産経済力レベルの旧社会主義国は、その中世的な、統制経済によりみるみる生産力を失い滅びるのだが、中世的支配構造を残したまま、奴隷的生産を取り入れた市場経済により、中国の共産党権力による、復興が成功し、覇権求める帝国主義に成長するという、まさに歴史の皮肉が起きてしまった。

この戦略爆撃機型の他国生産拠点破壊爆撃活動は、許してはならない。少なくとも共産主義者は、共産主義精神のもとに、たとえ民族資本との歴史的妥協、提携をもってしても、打倒放逐して、奴隷労働に動員されている農民工や被抑圧少数民族の労働者階級の為にも、打倒し破壊すべきである。そしてマルクスに投げかけられた汚名を晴らすべきである。

そして国レベル、国の国民レベルで市場経済システムを円滑に使う、各国の国民主権による共産主義的な市場経済システムの復活による民主的で豊かな経済国家を他国との協調により建設すべきである。

 

それは、中国マイナス共産党、プラス民主政治ならば、資本主義から共産主義への理想的な経済モデルが出来上がるのだが、中国は国民の思想が封建主義、全体主義を引きずっており、容易ではない。