市場経済システム-2

市場経済システムが経済システムの主流となると、その合理性により、受給バランスが素早くとれることで大量に交換流通されるが、その為には生産物量が多種で大量にある事が前提となる。

大量交換を支える大量生産が前提となり、発展して規模も拡大して、分業の成果を著しく高めるのだが、商品貨幣量が相対的に不足しだす。

商品の生産と商品貨幣の生産量がおいつかなくなるのだ。このことで市場流通や市場に持ち込まれる生産物生産が遅滞し始めるのだ。初期のデフレである。

 

これを解決するには、貨幣を商品貨幣、即ち商品から債務証書に置き換え、債務の最終決済を国家が保証し、貨幣として受け取ることを拒否出来ない価値ある商品貨幣の代用証書として国家が保証する法定貨幣とすることで解決される。

担保は徴税権であるはずだ。

しかし、国家に貨幣発行権がある場合は、通貨の発行過多、の問題を起こしがちである。

徴税範囲を超えた通貨の発行使用が起こり、貨幣が増えて価値を下げてしまうのだ。その意味で、担保である税収を超えた生産交換を超えた通貨が出回りインフレを起こすことは平均的に起こる現象となる。これはこの後に。だが、インフレは貨幣価値の低下であり、これは交換価値の低下であり、交換できるはずの商品の減少であるのだから、賃金の低下を意味することだけは確かだ。

 

さて、需要と供給の市場流通の話になるのだが、市場が適正に運営されるのであれば、分業による生産労働が順調に行われて、社会的には最大の生産力が維持される。そして、生産供給サイドは、競争により最低価格での生産が行われ、そこには労働力が投入され賃金を受け取るのだが、受け取った賃金の総和が、総需要の最大値となる。賃金以上の総需要は起きようがないのだ。それは市場流通だからだ。

 

また、生産力競争が行われるから、勝者は生産手段の高度化への投資で勝った側、又は低賃金構造を可能にした側だ。後者は長期的には敗退するが。

そして忘れてならない視点は、高い需要を前提とできて、高い投資が可能となる資金供給を受けられて、とてつもない低賃金が可能となる大規模生産が可能な場合であり、これは多民族大国であり、アメリカのような黒人労働、差別的賃金体系の持ち込みが可能な地域だったり、中国のように無尽蔵な労働力が少数民族抑圧又は帰属戸籍差別の可能な場合に優位に立てるだけではなく、他の既存生産の場を破壊しながら成長できる凶器としての生産システムが可能となる。残念ながら、奴隷抑圧的な賃金による労働力の確保が可能な地域は優位に立てるのだ。

 

経済圏外、即ち他国の需要を取り込んでいたのなら、またそれが拡大する見通しがあるのなら、需要増となり、生産力を更に高められる。

戦争は、消耗兵器の追加生産と、生産構造での消耗品や日常品などの生活物資生産への生産配分にまて手が回らないことになり、直接の戦争当事国は、他国に債務を負った輸入が拡大する。戦争特需は、それへの輸出国が需要拡大でき、債権を伴う輸出が可能となり、その所得を含む生産増が得られる。

供給力が需要増大により拡大できるのだ。

 

平時の輸出も同じだが、平時同士の競争力戦となるので、さほどの収益は見込めないだけだが。

 

それが、終戦になると一気に需要不足=供給力過剰となる。生産力を拡大しすぎたのだ。また保護貿易の拡大を行うことで、凶器と化した生産システムの破壊戦争が起こらざるを得ないのだ。

グローバリズムは、世界総市場化であり、供給側の一極化を生み出す。他極の生産点はことごとく破れるか、一極化した供給点への下請に入り生きながらえるしかない供給サイドの生産システムに組み入れられる。これが覇権的利益の格差を生み出すのだ。供給サイドの系列化に組するのとそうでないのとの間に賃金格差が生じて、供給サイドの生産賃金の総和の需要が満たされるだけ、になる。