資本主義を考える-12

・資本主義の終了

資本主義は終焉する。

それは、発生時に生産力の飛躍的増加をもたらす、生産手段の高度化により、機械化といっても良いのだが、人と道具の結合した生産手段の機能を、機械の操作労働による機械に大きく依存した機械と人の結合労働に変わることにその根源がある。

既存の供給サイドの、生産に伴う労働所得のうち、一度は供給過剰にして、既存の供給機構を破壊して、失業者と機械生産者、機械原料生産者、エネルギー原料生産者を生み出し、供給機構を集中一元化することで、生産労働所得を集中する。

それでもなお供給側で吸収しきれずに失業者がでることで、合理性=生産性が得られるというものだ。

失対事業として供給サイドを増加させるには、資本主義システムによる資本家の収益の消費が必須となり、それは豪奢な自家消費の為の生産サイド補強や、まだ資本主義システム化していない生産部門への機械生産投資への資本主義的雇用の発生、である。

要は、発展と失業者増加はセットであり、失業者を吸収する新たな産業が起きている間は、経済発展の根幹をなすシステムである。

閉鎖経済系では、全てに資本主義システムが行き渡ると、供給サイドは、既存の資本主義と新たな生産手段の向上技術を持った新資本主義システムとの闘いになり、既存資本主義を食いながら新資本主義に入れ替わる。既存資本主義の雇用労働者を大量に失業者に放出しながら。しかもその技術取得には長い時間と大きな消費投資を伴い効率も極めて悪いのだ。

資本主義は、平たく言えば生産手段機械化による生産手段保持者への労働所得の集中、であるなら、その課題を閉鎖経済系でほぼ成し遂げれば終わるのだ。それは、生産手段への投資消費が、減耗補填のみ、となった状態を指す。新たな投資は、コスト増加でしかなく不合理になるのである。

で、何が残るのか。

資本主義システムそのものの持つ、資本家と労働者と失業者、という合理性ある生産システムで出来上がる階級構造だけである。

この場合でも資本家の持つ生産手段は、減耗分を補充するだけだが、これによる収益は資本家に属するので、労働者との格差のある所得は固定される。そして投資先はないので、資本家の自家消費だけが失業者を救済する。労働者は、資本家所得増の為に、生きる生活ギリギリの賃金で抑えられる階級構造はいきるものの、それによって集積する資本家所得との合計は変わらないから、新中世的なゼロサム社会となる。資本家が明日のために所得を浪費も含む消費をせず貯蓄すると、その分の需要が減り、生産力を落とすことになる。

 

新中生のケネー式の構造を考えてみよう。

支配階級は、資本家となる。

生産階級は、労働者階級となる。

不生産階級は、産業予備軍即ち失業者、である。

失業者を減らそうとすれば、資本家は自家消費を強めることしかなく、豪奢な消費材生産に専念する。

日本のようにそれをせず将来の有効な投資資金として貯蓄死蔵させれば、たちまち失業者が増えるが、もし、これも日本のように正規、非正規、バイト、などのように雇用を多様化すれば、実質の賃金総額を固定した、ワーキングシェア、となり失業者は減るが非正規が増えるだけである。

国外侵略的に国外の需要を取り込んで過剰生産による所得増、リカード方式で国際市場に挑戦をやるのか、新中世を甘んじて受けるか、であろう。

現代日本は、すでにケネー型の範式的な単純再生産社会となり、新規投資がすでに不合理になっていてその需要はない。

世界も、リカード的な合理性より、自国産業への融資を求めており、投資需要は国外にある。

貿易より自国の雇用や産業育成を求める、反リカードが勢いを強めている。

 

とすれば、対策は輸入品の削減であり、これまでリカード的視点で切り捨てられ、他国に依存したエネルギーや農業など、国内生産には向かないで切り捨てて、付加価値の高い労働生産物に特化シフトしてきた流れがあり、それは合理的であった。

これからは、輸入品額リストのうちから上位から選抜して国内投資を未来から借り入れ(今は現在からの借入が可能だが)生産効率を上げる投資を行うことで生産性が多少はあがる。

現代日本は、銀行に過剰貯蓄があり、これを担保化できる国債の発行余力がなお大きい。

国債発行によるエネルギーや食糧生産に投資できるしすべきである。自立経済性を強める戦略をとることが、真の安全保障となる。

警察官増やすより、治安の悪化要因を削除する方がマシな社会と言えるだろう。

科学技術を総動員して安全保障商品の増産を図るのが、昨今は世界的に不況低金利となった時代の課題かもしれない。

生産手段の高度化が資本主義の発生なら、これが邪魔になる時代に資本主義は終わり、自立性経済への不合理な投資=新社会主義、の時代に移行することが救済の道ではないか。

投資は何をやってもよいのだが、第2新幹線やリニヤではないだろう、これこそ無駄金で高度成長期のトップ引きの意識でしかない。

今回の種子法改悪で、アメリカの属国化が決定的になっており、アジアの中でのアメリカの代理人としての防波堤の役割の押し付けに従うのではなく、自立性経済の強化による骨太の経済作りを、国債発行による国家経済政策を推進すべきではないか。

何故なら民間では当面の投資収益率が低い国家100年の計的な投資課題だから。

そしてそれをなすべき経済基盤はこの国にしっかりあるのだから。(^^)誇大妄想を心配しないでね。(^^)

野党見てると、政権交代して何をやるのか、がさっぱり見えない水準で、苛立つ今日この頃、自民党は、アメリカの番頭化して憲法改正アメリカの武器購入ましっぐら。苛立つよ(^^)