資本主義を考える-7

・資本主義の発生過程を細かく考えた。

資本主義の発生の根拠は、生産手段の機械化、差別化による生産性向上で得られる労働時間短縮=人間労働主体の生産手段の機械操作労働への転化による短時間労働化による。

これは、(機械減耗費+操作労働)<人間労働費(+道具)

/単位労働時間

が得られる技術革新が得られ、自営業者的生産者の没落による雇用労働者の発生とその雇用、が実現するとき、である。

 

・では、資本主義の終焉とはどのようなものか?

この資本主義生産が閉鎖経済で行き着くと、即ち、生産財生産の資本主義生産化と独占資本、又はカルテルを伴う寡占資本、となった時、投資先がななると、国内の固定資産減耗分の補充投資のみで良くなり、資本家は自家消費分の生産労働者を雇用することで格差を伴ったまま固定し、ゼロ金利社会となり活力を失った新中世となる。

文化、技術も停滞する。

国外からの侵略がなければ、和の思想の普及があれば、格差是正の思想があれば、民主主義思想があり実践されれば、国家社会の発展動機は経済から倫理に移るのかもしれない。

侵略行為ない平和が恒久的であり、金利ゼロ社会で克服すべきデフレが収まるなら、失業者がゼロ、なら、格差に強い相続税がかけられるなら、より厳しく言うなら、私的生産手段の公有化又は協同組合化が進行するなら、資本主義に代わって共産主義=コムニスの共同化社会となる。

歴史上に失敗した社会主義という独裁的陰謀国家の汚名を返上して。

 

しかし長い道のりではある。日本、スイスはかなり近い位置にいる。

日本は小資源国、必要な輸入分は輸出が欲しいが輸出は国外労働者の失業や産業成長阻害となる為、進歩と共に弱くなる。それを見込んだ自立経済は不効率だがやらざるを得ない。エネルギー資源輸入を減らす工夫は長期的投資課題だ。

 

ちなみにスイスの小売スーパーの1/2は、協同組合である。

イギリスのロッチデール公正開拓者組合に端を発する協同組合は、世界の協同組合の先祖である。

スペインのモンドラゴン生産協同組合など、ヨーロッパには先進例も多い。

残念だが、国際ルールは欧米人の先駆者の知恵を学ぶことから始めるべきであり、キリスト教宗教価値観でのヒューマニズムも拝金主義レベルで否定すべきでもない。

日本は、資本主義的階級社会のまま、資本主義発展がデフレにより停止、又は後退していることに問題の本質がある。

資本家が国内で資本主義生産を縮小する限りにおいて、この階級維持には無理があり、サービス労働者は雇用ではない生き方=自営業者への先祖がえり、即ち大型投資を伴わない生産手段レベルでの私的生産への道も開けるのだ。

できれば、資本家をリコールして生産手段を共同化リースして労働者の選挙により企業運営する生産協同組合の道も開かれるのではないか?