資本主義を考える-5

・パン製造業が独占段階になると、競争もなくなるから、他産業の資本主義化に資本が向けられる。

 

2つの流れが考えられるが、

まずは、他産業の、例えば機械製造や原料製造業を資本主義化することだ。資本を他産業に持ち出すことでパン製造業の時と同じ効果と発展が期待できる。

気づけば、サービス業従事労働者ばかりが目立つ。

何故なら、もう一つの流れが、機械製造業の資本主義化で更にここの自営業者はなくなり、人が他産業に移行する。原料採取労働にツルハシを使う気の荒い労働者がわんさかある時代から、見れば大型の機械装置だけが無人で動くような世界が広がり、ほとんどの経費から労賃がなくなり、減耗費のみに近い経費構造になる。

技術革新や新産業発生がなければ、資本主義は停滞して金利もゼロになる。

ただし、新産業の発生は、既存産業の衰退との入れ替えであり、多くは製造経費減を伴うために、ゼロサムであり、サービス労働者の増加を産む変化で終わる。

需要が増えるのは新規市場が開拓されるか=輸出先開拓、国内人口が増えるか、のみである。又は移民の導入による労働者と=消費者の拡大か、これも国内人口増と同義である。

又は技術革新か、いずれかがないと停滞して、資本主義は単なる支配制度の維持でしかなくなる。

不動、不変と言う意味ではなく、総需要は変化せず、ただ、内容や種類が変化するだけになる。

パンの代わりに、ケーキが提供されるが、総購買力は変わらないので、パンが減りケーキが増え、トータルは不変となる。