資本主義を考える-3
・2で、資本主義が萌芽し、自営業者生産全体が資本主義生産に置き換わって行く過程を考察したい。
・自営業者のみの段階なら
1個/時間×8時間で8個/日
8個×20人=160個/日・・・需要規模
1000円/個で販売、総需要=160000円
・1資本家導入は、
5個/時×8時間=40個/日=40000円売り上げ
機械減耗費=2000円/5個/1時間×8時間稼働=16000円
労賃=8000円/日=8時間機械操作労働
40000ー8000ー16000=16000円
労働価値説で説明すると、機械製造労働時間2時間で、人間労働4時間分の生産労働を行う。機械の交換価値と使用価値の間に差がある、ということだ。
使用価値は機械使用生産労働であり、労働時間の短縮をもたらす。にもかかわらず機械の支配権を持つ者が労働時間を8時間に延長すると、減耗量も比例して増加するのであるが、延長時間生産物の支配権を労賃と減耗費に按分分配せずに減耗費側にのみ帰属させることで、賃金分を占有するのである。
マクロ的に見て、16000円はどこからきたのか?
まず、
機械導入自営業者は自分の労働を機械使用操作労働にすることで、40個/日を生産する。8個の時の5倍。
160個ー40=120個、120÷8個=15人、15+1=16
この1は、自分の労働。これで160の需要を生産できてしまう。
20ー16=4人は自営業廃業し、うち2人は減耗分の機械生産自営業労働に移行する。
1時間当たり機械は2000円の減耗費が必要なので、その分の生産労働が1000円×2=2人分だ。
残り2人が失業する。これが、16000円/日に相当し、これが機械導入自営業者に移転する。
これは、失業による2人の自殺による人口減であるならば、この2人分の生産所得減少と=消費需要の減少となって現れるのだ。
16000円の追加利益を上げた労働する自営業者が、日本人の好きな安全経済の為に?貯金した、として死蔵するに見えるものの、預かった銀行は金利稼ぎのために、主に投資に回す。投資とは機械生産のような資本活用であり、そのために雇用が生まれることで循環が維持される。
実際は、16000円は、日当8000円で労働者を1人雇用して、この労働者と入れ替えに自分は労働しないで8000円分の自家消費のみを専門にする資本家となる。
残8000円は、豪奢な贅沢暮らしの消費に回してもよし、次期収益拡大の為の資本として使用し地味な自家消費で我慢してもよし、消費か投資を行う。
消費なら、その分の生産労働に残り1人は雇用され、投資なら投資品生産労働があり、その労働所得の消費で需要は需給はバランスする。
何もなければ召使い労働し、資本家として労働せず身の回りの家事などの用事をこなしてもらい、賃金を払う。こうして失業から救済するのが一般的かもしれない。