経済を考える6-3

ケネーの経済表範式を考察する。

当時のフランスの経済構造を、3階級と5本の線という簡潔さでモデル化し、循環構造を見事に示した。

 

80%が農民で食糧生産力が高かった300年前のフランス、王朝は栄華を極めていた。宮廷の専属医ケネーは時の政権の重金的な輸出による儲け優先の政策を農業育成強化に変える目的で、当時のフランスの経済構造の断面を分析し重農主義の経済政策を王に提言した。

これは日本では確か信長の時代でこの後循環経済社会、徳川の江戸時代になるが、江戸時代の分析と見まがうほどである。

 

A生産階級は、借地農経営者に支配された農民

B支配階級は、王と地主と教会(10分の1税徴収者)

C不生産階級は、商工業者

数字は億フランだが何でもいい。単位は省略する。

年度を単位として、年初は、以下の資本を用意する

 

Aは、原前払い(農機具等減耗する現代の固定資産    

          100)を年度で10を償却する。と20の年前払い

          (1年間の生産に必要な食糧、種子等)を保持

Bは、前年のAの納税で20を貨幣で保持

Cは、前年の所得10を貨幣で保持

 

Aは、原前払い10と年前払い20の計30を消費して50の農産物(二次加工原料を含む)を産出する。

Cは、Aから10の生産物を買い加工生産、20の加工生産物を生産。結果はAは40の生産物と10の貨幣、Cは、20の生産物と0貨幣に。

Bは、Aから10の農産物を買い消費、Aは30生産物、20貨幣に。Aは、残り10貨幣に。

Bは、Cから加工製品を10買い、消費し貨幣0に。Cは10の加工製品と、10の貨幣になり、この10の貨幣でAから生産物を買い消費、この時点でAは、20生産物、30貨幣に。Cは、10の加工製品、0貨幣に

Aは、10の貨幣でCから加工製品を買い、生産時支出した10の償却分の原前払いを補充し消失。Aは20生産物と20貨幣に。Cは、0加工製品と10貨幣になり、翌年の資金として保管される。

Aは、20貨幣をBに納税しBは20貨幣を翌年の資金として保管、Aは0貨幣と20生産物となり、20生産物を翌年の為に保管。

これで循環が完成する。というもの。

現代のGDP計算も、ほぼこれが現代版にレオンチェフを経て利用されている。

考察は、6-4で。乞うご期待!