国家と経済4

ケネーを適用して、経済循環から国家と経済を考えてみたい。前回述べたように、支配階級と生産階級を考察してみる。

支配階級と言っても、現代日本は、王による専制的権力支配ではなく、国民の選挙により選ばれた代表により、政府が作られ、行政執行が行われる。政府は階級としての王ではなく、税による、又は国債発行収入による議会承認を経た予算執行による消費そのものである。

行政サービスや行政機構の維持に消費される。公務員給与から生活保護者にいたるまで。この消費のうち多分の生産階級への所得移転もあり、福祉、教育、インフラ等含む各種サービスを生産階級にもたらしている。が、本質は消費であり、生産ではない。納税ではなく消費支出である。消費支出は国民労働力の再生産消費支出であり、生産階級の生産活動の再生産維持経費である。本来は生産階級が生産セクター内での消費支出をも代行する政府(共同体)公共支出である。

インプットは、生産階級の納税と国債による借入金でアウトプットは消費支出である。生産階級は労働者であろうと、自営業者、弁護士、開業医、経営者であろうと、地主、資本家であろうと、生産階級内部の分配対立はあろうとなかろうと、トータルの生産活動でのアウトプットは、納税である。又は赤字国債発行の承認である。

要はこの政治に生産階級は関わっている暇はないからよきにはからえ、だから、適正か否かまでは保証の限りではないが、傾向として、重税はポピュリズムで通りにくいだけで、その分が国債発行に流れるだけだ。外国に外国通貨建でなければ問題は、先送りされる。国民の負債だから、生産階級内の分配の矛盾即ち返済責任が、労働者側と資本家会社側かその支払い分担の違いが先送りされているだけだ。企業が賃金上げずに内部留保してれば、そちらに重く逆なら軽くしないと矛盾が出るが、その対立を先送りしてるだけで、企業セクター、家計セクター共に内部留保があるのが実態だから、痛み分けとなろうが、国債やめ税金化しても、外国から借金しないでやっていける生産階級の生産性はある、納税能力は生産階級にある、が実態だ。