経済のポイント-1

・経済とは、資源を人の生存や欲望を満たす為に活用する、一連の人の財やサービスの生産、分配と消費行動を総称するものだ、と私は考える。 人は人生の大半を生産活動のために、即ち労働所得を得てより持続的に豊かに暮らす為に捧げるが、その割にこの経済の…

新冷戦の登場=グローバリズムの終焉

・冷戦は、ソ連を盟主とした社会主義国陣営と、アメリカを盟主とした資本主義陣営との間で第2次世界大戦後、約半世紀にわたって行われ、1990年にソ連崩壊で終焉した。 その特徴は、陣営内で安全保障=軍事も経済圏も共有する陣営間でそれぞれ「壁」「境界」を…

資本主義を考える-16

・循環型単純再生産が続く均衡型中世型経済システムに変化をもたらすのは、道具との結合労働という古来の生産手段を、「機械使用労働」という新たな圧倒的な生産手段の劇的変化によるものである。 ・まずは鉄製の機械の製造需要が均衡経済のバランスを崩す。…

資本主義を考える-15

・中世の絶対主義的王政の支配する農本社会では、余剰人口は、自営的安定的な不生産階級即ちその日暮らしの手工業的自営業者による都市市民を育成した。 ここにこの経済循環システムを根底から変革する資本主義生産システムが登場したのだ。 それは、消費材…

資本主義を考える-14

・資本主義のポイントは何か。 ロビンソンは、モリ=道具を1時間かけて作って3時間の素潜りモリ漁で5匹の1日の必要食糧を得ることができるようになった。総労働時間は4時間。 モリを作らないで手づかみ漁やってた時は、5匹取るのに8時間もかかっていたとする…

資本主義を考える-13

前章でほぼ輪郭は出来上がってきた。 ロビンソンクルーソーなら、1人で漁業でもやるしかないが、素潜り手づかみ漁では1日8時間やっても5匹しかとれない。ようやく1日分の食糧だ。 モリ突き漁にすればモリを作るのに1時間かけても、3時間の漁業で5匹とれると…

資本主義を考える-12

・資本主義の終了 資本主義は終焉する。 それは、発生時に生産力の飛躍的増加をもたらす、生産手段の高度化により、機械化といっても良いのだが、人と道具の結合した生産手段の機能を、機械の操作労働による機械に大きく依存した機械と人の結合労働に変わる…

資本主義を考える-11

・ケネーの範式では、貨幣を捨象して考えると 生産階級は、20の農奴食糧と種籾と、100のうちの10、即ち1/10の固定資産減耗=生産手段との農奴の結合労働によって、10を減耗させながら 50の生産物を得る。 ここで得る20の剰余生産物は、農奴を監視収奪する借地…

資本主義を考える-10

・経済学の母、フランソワ・ケネーの経済表範式の資本主義発展による変化モデルの作成へ! ケネーの中世経済システムでは、支配階級の存続をかけた富国強兵の為に、また財政基盤となる税収、即ち農産物増産の為に、 不生産階級の生産性向上による貢献を時代…

資本主義を考える-9

・ケネーに戻ろう! 経済表範式での、生産階級=農奴は、50の生産物のうち、20を年前払いとしての農業生産で経費支出=中間消費=農奴の食糧や種もみなど。 10を原前払いとして固定資産減耗費して、 要は30を中間消費して50の生産物を生産する。 20の余剰生産物…

資本主義を考える-8

・結局のところ、科学技術進歩としての生産手段の主に機械化による圧倒的な生産力により資本主義生産システム導入にいたる。 道具使用労働=生産手段を私的所有している自営業者労働は、もちろん、その中で使用道具の優劣や努力即ち労働時間の長時間競争はあ…

資本主義を考える-7

・資本主義の発生過程を細かく考えた。 資本主義の発生の根拠は、生産手段の機械化、差別化による生産性向上で得られる労働時間短縮=人間労働主体の生産手段の機械操作労働への転化による短時間労働化による。 これは、(機械減耗費+操作労働)<人間労働費(+道…

資本主義を考える-6

・これまでの叙述をトータルするとどうか? 都市自営業者の平面的な均質的均衡経済社会は、それは自らの道具程度の生産手段により、自らの労働を生産手段とする生産物を分業という形で市場で自らの労働分との等価であたかも自らが全てを労働によって得たよう…

資本主義を考える-5

・パン製造業が独占段階になると、競争もなくなるから、他産業の資本主義化に資本が向けられる。 2つの流れが考えられるが、 まずは、他産業の、例えば機械製造や原料製造業を資本主義化することだ。資本を他産業に持ち出すことでパン製造業の時と同じ効果…

資本主義を考える-4

・3で、20人の自営業者生産が16人の生産になり、2人は機械製造と原料採取労働に移行し、2人は資本家に雇用される労働者と資本家の召使い労働者とに移行した。 要は直接のこの産業の生産者ではなくなった4人ー1=3人と、消費だけして労働しない資本家とに分化…

資本主義を考える-1

・社会的な需要総体は、社会的な分業的生産労働総体により得られる生産物の範囲から満たされる。 需要は、労働生産物から得られる生産物だけで無くサービスも含まれる。サービス労働需要もある、労働が価値を作るのだから。 レストランで食事を注文、商品と…

資本主義を考える-3

・2で、資本主義が萌芽し、自営業者生産全体が資本主義生産に置き換わって行く過程を考察したい。 ・自営業者のみの段階なら 1個/時間×8時間で8個/日 8個×20人=160個/日・・・需要規模 1000円/個で販売、総需要=160000円 ・1資本家導入は、 5個/時×8時間=40…

資本主義を考える-2

・資本主義は、中世の封建社会経済の生産システムの中からの発展形として現れた。 日本で言えば士農工商の工商階級、フランスではケネーの経済表範式での3階級のうちの不生産階級、の生産方式の発展形態として登場している。 この封建社会の階級システムは日…

需要について-1

・ロビンソンクルーソーは単純だ。 自らの需要の内、自らの優先順に限られた睡眠時間以外の活動時間を労働時間配分して需要を満たす。 満たせなかった需要は、繰越すか夢と諦めるかだ。 生産性を上げて短時間生産が可能になれば、満たせなかった繰越需要分の…

資本主義分析-8

・前章とは異なり、8店のかき氷店が当面継続し、取り敢えずA店のみでかき氷機が導入されて1日稼働して生産過剰になった状態の切片を考察してみる。 ・A店の生産販売増による変化を考える。 カンナ式の時は、日産で考えると、 5杯/1h×労働時間8h=40杯 ここで…

資本主義分析-7

前章の「価格形成と生産手段」から、かき氷店の資本主義化を検討した。 この章では、マクロモデルを作り、資本主義の本質に迫りたい。 世の中で、数ある産業が、農業以外は資本主義的生産が行き渡っていない時代で、職人的自営手工業市民によって分業生産さ…

価格形成と生産手段

・ここに、300円のかき氷が売られている。 また、10000円のかき氷用カンナも販売されていたとする。 このかき氷もカンナも、生産費用は、原料費+加工労賃、と考えられる。この生産費用が回収されることが生産活動を継続できる条件である。 加工労賃には、労…

資本主義分析-6

・かき氷屋 さんAの-4からの続きだ。 いよいよ、これまでなかった資本主義生産様式が、かき氷屋 さんAによって採用されることになる。 中世の市民社会モデルの手工業者と商人とからなる単純再生産交換経済を基礎とする均衡社会は、かき氷屋さん Aのかき氷機…

資本主義分析-5

・かき氷店の資本主義的生産様式への変化の前に、生産手段に使用される機械と人間労働について更に掘り下げてみたい。 例えば、人は労働を通じて、人にとっての有用物をつくりだすのだが、それは労働対象物=原料、を労働手段である道具や機械を使い人間労働…

資本主義分析-4

・かき氷屋さんの資本主義 資本主義生産システムのエンジン、心臓部にあたる生産工程での生産手段の役割について掘り下げてみたい。 労働も生産手段ではあるが、私はこれを可変生産手段と呼ぶことにする。 しかし、問題にしたいのは不変生産手段と命名する道…

資本主義分析-3

・ケネーの経済表範式での不生産階級労働は、 原料を労働対象物として労働力を生産手段として生産工程で労働し原料とは異なる原料加工目的生産物を作り、これを市場で貨幣と交換し、その貨幣で労賃即ち生活費即ち労働力再生産費と原料購入費を支払って生産消…

資本主義分析-2

・資本主義の本質は、資本の剰余価値生産を動機とする生産様式である。 ・資本主義生産様式は、突然現れたシステムではない。その前史は、ケネーの経済表範式モデルからその萌芽を読み取れる。まずは歴史的考察。 絶対主義的封建主義時代に共通する農業生産…

資本主義分析-1

・マルクス表式で、資本主義生産様式では GーWー GーWー・・・・の資本の変態により、剰余価値が蓄積されることを前回明らかにした。 資本主義システムは、資本家利潤を目的とすることで、社会的な総生産を担い、社会的な総消費に対応する、強い資本家動機に…

マルクス経済学、結論

・マルクス主義経済学は、資本主義システムのモデル式として GーW(pm+A)ーPーW'ーG' と表現した。 資本主義生産システムは魔力のある経済のエンジンである。ことの本質は、下部構造は農本主義、上部講構造は絶対主義的封建時代から、下部構造は資本主義、上…

マルクス主義経済学7

・結局のところ、ケネーの範式モデルは、自然の力=自然物の増殖力と人間にとっての有用自然物=農産物の濃縮労働生産による農産物の対人口過剰生産が安定したこの時代の経済モデルであり、定住による単純再生産を可能にした農本社会を形成したが、過剰生産で…