唯物史観

新たな「唯物史観」 「資本主義の発生、成長、停滞と衰退、そして衰退後(=ポスト資本主義) の世界」を考察し予測してみる。 経済史を「経済システムの弁証法的進化の過程」と捉え、マルクスの「唯物史観」を再構築し修正して、新たな「唯物史観」を自然科学…

資本主義の 生成、発展、及び衰退と消滅について ・歴史を基礎として「唯物史観」を継承し、経済史を主として「マクロ的、鳥瞰的視点」で振り返り、再分類、再評価、再定義し直して「資本主義」の(生成、発展、そして衰退又は消滅)に関する仮説構築を試みる…

MCT-2

○資本主義から金融資本主義への移行の必然性を考える。 マルクス資本論 GーW(pm+A)…P…W'ーG' W'ーG' 、ここでは、流通資本が関与することが抜け落ちているのだ。生産資本と流通資本は一体不可分である。商品をつくればその価値で売れて貨幣が手に入るのでは…

MCT-1

○資本論の現代資本論への再生 マルクスの資本論を、書庫から取り出し、現代資本論として再生活用したい。 マルクスの労働価値説に基づく価値論での論理手法を引き継ぐ。 一方で訂正と修正が必要な大きなポイントが2つあり、現実と理論の激しい乖離をきたして…

デフレ克服を!

根本原因は、労働分配率低下を食い止める、ナショナルセンターがないことなのですが、貧困化が進行しています。労使を合体する国には財政があり、予算があります。予算委員会で、揚げ足取り的な低水準の議論ではなく、4条国債の発行増による福祉財源の増加を…

資本論の考察-9

金融危機サイクルの前に、現代版資本論範式のマクロ的考察を試みる。 W(pm+A +m)ーW'*(pm2+A2+m2)ーW'(pm'+A'+m') において、 W(pm+A +m)ーW'*(pm2+A2+m2)ーG' のプロセスを踏んでみよう。G'で期末として締める。 なぜなら、G'ーW'(pm'+A'+m')は次期生産の…

資本論の考察-8

貨幣資本Gを再登場させる。 交換は等価交換である。 WーWは物々交換であり、ここに貨幣は不要であり、WーGーWは、交換に時間差がある場合の交換である。 又は交換が複数の交換者を媒介とした交換であり、それも時間差原因の範疇である。 貨幣が金属貨幣のよ…

資本論の考察-7

再度生産資本循環による拡大再生産の範式の精度を上げて考察を進めよう。 W(pm+A +m)ーW'*(pm2+A2+m2)ーW'(pm'+A'+m') なる生産資本循環が本質である。 生産資本→商品・流通資本→拡大生産資本 である。 ここに、貨幣Gは捨象できる。この循環を円滑に進める…

資本論の考察-6

GーW (pm+A+m)ーW'*(pm2+A2+m2)ーG' で、貨幣資本Gを生産資本Wへ、そして商品資本W'へ変態させると、生産資本W段階で剰余価値mを生み出すことができる。A労働力商品が介在するからだ。 しかし、それは商品資本W'へのm='分の価値増殖したものであるが、商品…

資本論の考察-5

GーW (pm+A+m)ーW'・(pm2+A2+m2)ーG' 価値論で一貫して展開してみる。 また、Gは目的ではなく経過点として捉え、できる限り捨象し、確立後に明らかにする。 まずは土台から固める。 資本主義は、まずW(pm+A)で生産資本を組成する。 pmは、天然資源、原料など…

資本論の考察-4

GーW (pm+A+m)ーW'・(pm2+A2+m2)ーG' を考えてみよう。 前のWは生産資本段階、WーW' のW'は商品資本にm分の価値増加が内在しているもの。 この商品資本は、市場で次期生産資本との交換をする為に、W'ーW' 即ち商品資本、生産資本交換を必要とする。それは生…

資本論の考察-3

・W' の換金活動を担う商業は、生産であり消費である。もし、' を超える支出で商業活動を行うなら、生産資本段階での剰余価値生産の意味は失われることになる。したがって生産資本との関係での商業活動はその範囲以内の発展にとどまる。本来なら生産資本で変…

資本論の考察-2

・流通は価値を生まない、が資本論、の謎である。 流通労働というものがあり、商業という業種が歴史的にしかも資本主義成立のずっと前から存在しているのに、価値を生まない、というからである。 私の問題意識は、GーW ーG、でもWーGーW でもGの問題、即ち貨…

資本論の考察-1

資本論は現代も尚光り輝いている。 しかし、資本主義の発達と共に、その経済学批判の対象物が拡大し、現在では光を照らす部分は相対的に小さくなり、古典として扱われる始末だ。 結論は、生産資本による労働価値増である剰余価値は、大半が流通資本に移転し…

市場経済システム-5

・マルクス主義を政治的に利用し、後進国革命が20世紀に発生し滅亡した。その多くはマルクスの資本論の解釈に問題がある。マルクスは市場による交換を否定していないどころか、商品からスタートして交換価値と使用価値の矛盾について述べている。 交換価値と…

市場経済システム-4

・市場流通経済が機能している社会にあっても、安全保障上の危険性がある場合に、利敵行為となる生産サイドの生産拠点を国外に投資して作ることは利敵行為となる。明らかに現中国は、スパイ活動も含め、自国利益のみを最大化する片務的半閉鎖的な国家生産活…

市場経済システム-3

・市場経済システムが、円滑に回っている間は、螺旋を描きながら経済成長できる。後付けながらGDP結果でそれは簡単に観測できる。 総賃金分の消費財生産需要分を競争生産しながら生産できるが、それ以上の生産は不良在庫となる。生産基地は、次第に淘汰され…

市場経済システム-2

・市場経済システムが経済システムの主流となると、その合理性により、受給バランスが素早くとれることで大量に交換流通されるが、その為には生産物量が多種で大量にある事が前提となる。 大量交換を支える大量生産が前提となり、発展して規模も拡大して、分…

市場経済システム-1

・自然人は、ロビンソンをみればわかる。 自らが労働し、労働分の有用物を手に入れ、それを消費して暮らすだけだ。 勿論消費財だけでなく生産財=道具類も労働で得て、労働生産性を高めるから、より短時間でより多い消費財を生産できるようにはなる。 自営業…

マクロ経済モデル

・1国で生産される財、サービスを付加価値ベースで名目値で集計し、物価指数で除すと実質値がでる。これを前提として議論する。 ・1国の年間の供給される財は全て需要されるとする。と、総需要=総供給となる。 Y・・・生産、但し付加価値生産 Im・・・輸入 C…

未来を失う日本人の経済学リテラシー

経済学は、 マクロとミクロに区分される。 ミクロでは、各経済主体の経済的効用を最適化行動の中身と相互連関を分析する。 マクロでは、一国経済全体の活動を分析して、インフレやGDPを対象とする。 *マクロ経済の視点から経済政策を統計資料に基づき論戦す…

SNA国民経済計算-3

[ 3 ] 国民経済計算の概要 1. 生産と1次所得の分配 (付表1. 財貨、サービスの供給と需要) 国内産出+輸入、が供給され、その需要は、 中間消費+政府最終消費+政府家計最終消費+固定資 本形成+在庫品増加+輸出 である。 (付表2. 経済活動別の国内総生産・要素…

SNA国民経済計算-2

[ 2 ] 取引主体の分類 統計の体系として、取引主体を2つに分類する。 「経済活動別分類」と「制度部門別分類」だ。 1. 前者は、生産分析からの分類で、生産技術の等質性に着目した分類。事業所が統計の基本単位。 産業、・・・・農水業、製造業、建設業等 …

SNA国民経済計算-1

現行の国民経済計算は、1993年に国連が勧告した国際基準、93SNAに基づく。 [ 1 ] 経済循環のとらえ方 1. 生産要素(労働、資本ストック)、土地、を組み合わせて使用し、原材料(中間財)を投入し財貨、サービスを産出する。 2. 生産活動の過程で生み出された …

貯蓄のパラドックス

新自由主義発想をやめてケインズ主義を復活せよ! さもなくば戦争発生でしか救国できない! 大局的には、現在の日本は長いデフレ期であり、戦争でもやならないと供給力不足にはならない構造です。 日本の現在のデフレは経済の病でもあるのですがその治療は20…

経済のポイント-6

「閉鎖経済での集団的経済活動」をこの章の以降で深めてみよう。 島国日本での平和的鎖国状態と考えれば良い。 ところで日本の人口は、鎌倉幕府始めで750万人、江戸幕府始めで1200万人、江戸幕府終わりで3300万人、第2次大戦終戦時で7200万人、戦後のピーク…

経済のポイント-5

・市場での売価は、 生産労働所得の総和、即ち原材料生産労働所得に加工労働生産所得に固定資産減耗分生産労働所得(厳密には過去固定資産労働所得) これに運輸、商業サービス労働所得との合計額であろう。これを貨幣により交換するもの。 勿論、希少性など需…

経済のポイント-4

・封建的農本時代でも、近代的資本主義時代でも原理は同じである。 前章で明らかにしたように、個別工場生産での原価分析は、資本主義の勃興時代の限界をもつ。 分業生産が市場での交換を前提とした商品生産となるので、販売できるか否か、は生産継続や拡大…

経済のポイント-3

・階級概念がなければ、余剰生産物即ち利潤又は資本は発生しない。それは生産階級内で処分するだけである。結果は生産階級内の人口増か労働時間を短縮して単純再生産に、いずれにせよ単純再生産の循環となり停滞する。 ・社会秩序には強弱があり生存競争があ…

経済のポイント-2

・余剰生産物とは何か、という問題を深めなくてはならない。 余剰とは文字通り余分な、余った、ということとすると、何に対して余ったのか、ということだが、それは労働力支出に対する分配分が、支出以下であることによる。 余った、というのは集団的生産活…